印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

インド国債カーブは順イールドです

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つい先日、日本の米国債保有高が2年ぶりに中国を抜き、首位に立ったと報じられたばかりだが、インドの米国債保有高も記録更新中だ。この6月末で1627億ドルとなった。上位13位だ。保有高3位の英国(3411億ドル)の5割弱で、1位の日本の保有高(1兆1229億ドル)や2位の中国の保有高(1兆1125億ドル)の2割にも満たないが、上昇中だ。前年同期比の増加率は、上位国の中ではベルギー(3割超)、イギリス(2割超)に次ぐ増加率(1割超)となっている。

 

さて、その米国債は先週半ば、逆イールド化した(10年利回りが2年利回りを下回る)が、先週末からまたカーブは立ち始めた(スティープ化)。米財務省が50年債か100年債を発行する可能性を示唆したために30年債イールド(利回り)が上昇したからだ。50年、100年のイールドカーブの形状となると、予測が難しい。それで、とりあえずスプレッド(長短利回り差)のポジションを閉める動きが出たのであろう。独国債カーブも8年までは逆イールド化しており、2−10年スプレッドは25bpを切っている。英国債は既に逆イールド化している。ドイツ、イギリスでは大型の財政出動も示唆されているが、歴史的には逆イールド化のあと、早ければ12−14ヶ月後、遅くとも18–24ヶ月後にリセッションが到来するとされている。しかし、19日発表のドイツ連銀の月報によると、ドイツは早々とリセッション(GDP二四半期連続縮小)に突入する可能性が高い。10月31日にEU離脱を控えるイギリスも然りだ。

 

一方、インド国債は順イールド(右上がり曲線)だ。この半年でブルフラット化(10年利回りが2年利回りより低下)している。前回、インド国債市場について書いた7月の初めは、利下げ局面にあるインドの実質金利がまだまだ高いことからブルフラット化が更に進むと予想していたが、実際はこの1ヶ月半はブルスティープ化している。直近1ヶ月にブルベア型でスティープ化したからだ。3年債までの利回りが低下し、4年債超が上昇している。どうにも堅実で外貨建て債券の発行を嫌うモディ首相から横やりが入ったらしく、期待されていた初のグローバル10年債が見送りになった影響も大きいと思うが、その結果、2−10年スプレッドはまだ67bp以上ある。カーブ形状からしても、ファンダメンタルズからしてもインドにリセッションはない。しかし、もしインド市場が世界的リセッションに伴うリスクアバージョン(リスク回避志向)の波を被るとしたら、その時が買い場だ。国債利回りは今でも安いと思いますけどね。

 

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