印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

ジョンソン首相のドリーム(パペット)チャンセラー

ジョンソン首相の内閣改造は概ね予想通りの内容になると思われていた。業績が振るわなかったり、ジョンソン首相への忠誠心が十分でないと思われていた大臣は外されるであろうという意味で。しかし、サジド・ジャビド財務相の辞任は世間を驚愕させた。 伝統的…

EU離脱おめでとう。イギリスは我が道を行く。

1月31日午後11時、イギリスは11ヶ月の離脱移行期間へと入った。思い返せば、3年半以上前の国民投票では離脱派と残留派が拮抗し、離脱派が辛勝した訳だが、この離脱の日にイギリスを包んだ空気は、欧州からの移民や出稼ぎ労働者が多いロンドンでさえ…

インド市民憲法改正案に対する抗議デモ - メディアの偏向報道に騙されるな

一部加筆しました。 英語の諺に"Believe nothing of what you hear, and only half of what you see."というのがある。「聞いたことは全く信じるな。見たことは半分だけ信じよ。」ことインドの政治社会情勢に関しては、メディアで読んだことも信じるな、と付…

さようならEU。保守党の歴史的大勝でイギリスはEU離脱へ

予想通り、イギリス総選挙は保守党圧勝となった。1987年以来の大勝利。獲得議席数364、単独過半数だ。2016年の国民投票で離脱支持だった選挙区でことごとく大勝し、残留支持だった選挙区でも健闘した保守党に対し、労働党は両選挙区で票を失った…

イギリスのTV党首討論会で健闘したコービン。それでも転機とならない理由。

19日夜に行われたイギリスのTV党首討論会、「どちらが勝ったと思うか」を問うYouGov世論調査では、ジョンソンが51%、コービンが49%となった。支持率では保守党が労働党を10ポイント以上引き離しているにも関わらず、その差は僅か2%。包括的なパ…

イギリスのスーパーサタデー。結果にかかわらず、総選挙は早々に断行か

10月17日、イギリス政府とEUは新しい離脱協定案に合意した。この新離脱協定案とメイ前首相がEUと合意した協定案との大きな違いは「バックストップ」の有無だ。 1998年、イギリスはアイルランドとベルファスト合意を結び、英領北アイルランドとアイル…

Howdy Modi - インド系アメリカ人400万人が米国のクリティカルマスに

夫著(妻訳) 2014年の首相就任以来、モディ首相はインドの国際プレゼンスの向上に膨大な時間とエネルギーを割いてきた。モディ首相の政策の大半は長期的視野に立ったものだが、外交も然りだ。相手国の大小に関わらず、友好的な関係を育むことが長期的に…

法人税率引き下げで投資誘致に動くモディ政権

インドの法人税率が引き下げられた。本年度から適用される。国内企業の法人税率は現行の30%から22%となり、新実効税率は25.2%となった。このニュースを受け、Sensex、Niftyともに5%超急伸。前者上げ幅は1900ポイント超、一気に38000台…

ボリス・ジョンソンが差し出した”オリーブの枝”

”オリーブの枝”とは和解の象徴だが、今回ボリス・ジョンソンが一部の造反議員宛てに差し出した「異議申し立ての手続きを踏むよう促した手紙」がそれに当たるとして、物議を醸している。保守党から除名された21名の中には、ケン・クラーク元財相やニコラス…

10月31日の離脱から一歩も引かないジョンソン政権、世論調査で支持率上昇

この週末、二つの世論調査が発表された。Opiniumが、保守党35%(前月同期比+3)、労働党25%(同−3)、自由民主党17%(同横ばい)、ブレグジット党13%(同+1)。YouGovが、保守党35%(横ばい)、労働党21%(−4)、自由民主党19%(…

イギリス:3年以上前の国民投票でEU残留に一票を入れた人々の心変わり

今回は2016年6月の国民投票でEU残留に一票を入れた人や、残留派優勢の地域に住む人を含むイギリス国民の声を一部拾い上げてみました。 ”I voted to remain, but I am glad the Brexit ball is rolling now. Despite the plunge in the value of my flat…

ジョンソン首相のチェックメイト、イギリスは10月31日にEU離脱へ

今週水曜日、イギリス議会閉会が女王によって承認された。これは形式上のもので女王が拒否することはない。議会は9月9〜12日から女王演説の10月14日まで閉会される。「合意なき離脱」を避けるためのブレグジット協議を阻止するための措置とメディア…

(続報3)中所得層が台頭するインドは個人消費が牽引する内需型経済、漁夫の利相場になれるか

市場の思惑通り、富裕層を対象とした新付加税の課税対象からFPIs(外国ポートフォリオ投資家)と国内投資家が除外された。シタラマン財相が先週金曜、市場が引けてから公表。7月頭に発表された新政府予算案に盛り込まれた新付加税の課税対象に、FPIが含まれ…

イギリス:合意なき離脱の場合は、直後にEU市民の自由な渡英を停止か

ジョンソン政権が労働ビザの付与の方法を年内にも変更する見通しであることは、以前にも書いたが、10月31日に迫るブレグジット後のEU市民の処遇も当初予想されていた内容とは異なる可能性が出てきた。ボリス・ジョンソンは首相就任後の初のスピーチで、E…

インド国債カーブは順イールドです

つい先日、日本の米国債保有高が2年ぶりに中国を抜き、首位に立ったと報じられたばかりだが、インドの米国債保有高も記録更新中だ。この6月末で1627億ドルとなった。上位13位だ。保有高3位の英国(3411億ドル)の5割弱で、1位の日本の保有高…

インドの医療現場に変革の兆し

インドは医薬品ではすでに貿易黒字国であり、その市場規模は2023年には320億ドル相当になると見込まれているが、国内メディアによると、政府は”Make in India”プロジェクトに医療機器メーカーを誘致すべく動き始めているということだ。輸入から脱却し…

インド独立記念日に寄せて、日本に心から感謝の意を伝えたい

夫著 8月15日はインドの独立記念日でもある。今年、インドは73回目の独立記念日を迎えた。妻とこのブログを始めてから2ヶ月あまりとなるが、なかなか日本に感謝の気持ちを伝える機会がなかった。今日が私にとって(そしてインドの人々にとって)のその…

イギリス:労働ビザの申請、年内にファストトラック導入か

先日、ボリス・ジョンソン首相はイギリスの労働ビザ申請を年内に変更する意向だと、国民に向けて直接発表した。イギリスへの貢献度を考慮するポイント制とし、サイエンス、エンジニアリング、テクノロジーの分野に従事する人々に(審査等を優先的に実施する…

巨獣めざめる - 最貧困層から脱却させるモディ政権

夫著 わが故郷、南インドのケララ州では70年代半ばより、"remittance economy(仕送り経済)"によって、人々の生活水準が上がり始めた。ここ数十年でその生活水準の向上は加速している。ケララ州の人々をマレヤリ(Malayalis)という(州の言語はマレヤラ…

アフガニスタンからパキスタンへ「カシミール問題にアフガニスタンを結びつけるな」

米政府は7日、インドとパキスタンに自制を求め、両国が直接対話し、問題を解決することを支持するとの声明を出した。アメリカのカシミール政策に変更はあるかとの問いかけに、国務省のスポークスマンは「No」と答え、カシミール問題は印パ二国間の問題であ…

インド政府、10月にJ&K投資家サミット開催か

結局、カーン首相のアメリカ参りも虚しく、トランプ大統領の仲裁はなかった。アメリカ政府は、今回の第370条項、35A条項の撤廃に関して、インド政府からは事前の相談も報告もなかったとしている。ジャイシャンカル外相がポンペオ国務長官に先週、バンコ…

モディ首相のツイート

モディ首相はよく世間を驚かせる。高額紙幣廃止の時のそうだった。勇気ある断固とした決断を予想外のタイミングとやり方でこれまでも実行してきた。今回は憲法第370条項と35A条項の廃止だ。 そして、自身のメッセージをメディアを通さず、直接伝えるこ…

インド:憲法第370条項廃止、カシミール渓谷のテロ脅威引き上げの背景

なるほど。カシミール渓谷からの避難警告の理由はこれだったか。2019年8月5日、インド政府は大統領令によりジャンムー・カシミール州に特別自治権を認めていたインド憲法第370条項と35(A)条項を廃止した。同日、8000人の軍の増派を決定した。…

インド株式市場(続報2):FPIsとAIFs、付加税の課税対象外となるか

富裕層を狙った新付加税の課税対象にFPIs(外国ポートフォリオ投資家)がテクニカルな理由で含まれてしまったことは、不本意であったとシタラマンが認めたことは以前に書いた通りだ。そして、そのエラーがFPIsに株の利食いの口実を与えたことも確認されてい…

インド:カシミール渓谷のテロ脅威レベル引き上げ。英独豪政府が自国民旅行者へ注意喚起

イギリス政府は8月3日土曜日、ジャンムー・カシミール地方への自国民旅行者へ注意を喚起した。”remain vigilant(警戒を怠るな)”というものだ。インドにおけるテロが引き続き”very likely”とも付け加えている。ドイツ、オーストラリア政府もイギリス政府…

インド株式市場(続報):政府はFPIsへの付加税と上場株式の浮動株比率引き上げを棚上げか

先週金曜日、インド国内メディアは首相官邸と財務省が、FPIs(外国人ポートフォリオ投資家)に課せられる付加税に対する彼らからの提言を話し合ったと伝えた。シタラマンはまた、別の国内メディアとのインタビューで(予想通り)「富裕層に新たに課せられる…

続報2:ジョンソンの仕掛ける罠?

若かりし頃のドミニク・カミングズ 国内メディアによると、ジョンソンのヘッドアドバイザー、ドミニク・カミングズは10月7日の週までに補正予算を準備するよう側近の補佐官に指示を出したということだ。「合意なき離脱」に対応するための補正予算で、バラ…

イギリス:ジョンソン新内閣にインド亜大陸系議員4人

ジョンソン新内閣が発足した。ブレグジット強硬派で固められ、「戦時内閣」とも「ロッキー・ホラー・ショー」とも揶揄されるのだが、もう一つ特筆したいのは、主要ポストに4人のインド亜大陸系議員が任命されたことだ。(写真の左から)サジド・ジャビド新…

インド株式市場:新付加税導入で外国ポートフォリオ投資家(FPIs)の利食いが続く

7月5日の新政府予算案に盛り込まれた富裕層への新付加税は、(政府にとっては多分、不本意ながら)外国ポートフォリオ投資家(FPIs)もその課税対象となった。非居住者のポートフォリオ投資は非法人形態の投資家だ。多くは「信託」の形態をとるため、イン…

イギリス:「AI革命に準備ができている国」二位

「AIがもたらすチャンスを活かす準備が出来ている国」のランキングなるものが今年5月に発表された。Oxford Insights(英デジタル、AIコンサルティング)とカナダの国際開発研究センター(International Development Research Centre)が共同でまとめたもの…