印度維新

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法人税率引き下げで投資誘致に動くモディ政権

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インドの法人税率が引き下げられた。本年度から適用される。国内企業の法人税率は現行の30%から22%となり、新実効税率は25.2%となった。このニュースを受け、Sensex、Niftyともに5%超急伸。前者上げ幅は1900ポイント超、一気に38000台を回復した。過去およそ10年来で最大の上げ幅だ。特に銀行セクターと自動車セクターが躍進。それぞれ、Nifty Bank Indexが8%、Nifty Auto Indexが10%の上昇となった。市場関係者も好感を超えてお祭り騒ぎだ。テクニカル的には、Nifty、Sensexともに2018年10月安値からの上昇軌道に戻るには届かずも、少なくとも今年6月の高値からの下降軌道からは脱した感がある。週明けもこのペースで続伸となれば、来週中に元の上昇軌道に戻る見通しだ。一方、インド国債イールドカーブは10年利回りが2bp上昇し、この1ヶ月のベアスティープ化にやや拍車がかかった形となったが、直近半年間の「利下げ局面にして、景気刺激策が続く見通しの中、インフレは抑制されている」という織り込み方に変化はない。

 

今回の法人税率引き下げがことさら野心的なのは、来月、2019年10月1日以降に法人化され2023年3月までに生産を開始する新企業の法人税率を現行の25%から15%に引き下げたことにある。中国撤退企業の誘致を念頭に置いたものだ。今までのところ、それら企業の誘致に大成功を収めているベトナム(標準法人税率25%)を意識した措置とも取れる。モディ政権は個人消費ではなく、投資を選んだ。場当たり的な所得税率の引き下げではなく、投資を促進するための、長期的、構造的な革新を狙った政府の決意を感じる。

 

モディ首相もツイートした。

"The step to cut corporate tax is historic. It will give a great stimulus to #MakeInIndia, attract private investment from across the globe, improve competitiveness of our private sector, create more jobs and result in a win-win for 130 crore Indians."


法人税引き下げは歴史的な出来事。"Make In India"に大きな刺激を与え、世界中から民間投資を誘致し、民間部門の競争力を高め、より多くの雇用を創出し、13億人の国民にwin-win(ウィンウィン)の利益をもたらすでしょう 」

 

  

 

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