印度維新

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ユニクロR&D統括責任者、勝田幸宏氏がインドメディアに登場

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地域ごとの刺繍とプリント。地図上にあるのはほんの一部。

ユニクロが今秋、同時期にインドに3店舗をオープンすることは日印両国のメディアで大きく報じられた通りだが、10月頃にデリーに1号店がオープンするのに先駆けて、先週、現地で”LifeWare”のプレビューが開催された。その際、ユニクロR&D統括責任者、勝田幸宏氏がインドメディアのインタビューに答えている。印象的な言葉を勝手にまとめてみた。

 

まず、インド市場への進出については、「シンプルな服で人々が個性を発揮する一助となる」というユニクロのデザイン哲学はインドでも通用する、と自信溢れる内容。「服自体はそんなに主張(英文では"attitude")を持つべきでない」が、「人々は個性を持つべきだ」とし、そのために、ユニクロは「シンプル」かつ「(各自が自分の)スタイルに組み入れ、合わせることができる完璧な服」を提供しなければならないと。中国での成功を引き合いに出し、インドでの成功も確信している。そして、R&Dの役割としては、ユニクロが最重要視する顧客ニーズに対応するために、世界各国の2200店舗から寄せられる情報に熱心に耳を傾けることだとし、「インドの顧客が我々の次なる革新のヒントを与えてくれるかもしれない」と結んでいる。

 

さて、インド国内には衣料品のブランドが多くある訳ではない。地域や都市によって、好みも文化も異なるのは中国以上かもしれない。インド独自の”国民的な”ブランドや国際ブランドは皆無と言ってよい。ZARAH&Mなどのジョイントベンチャーとは異なり、ユニクロのインドの顧客が体感するのは100%ユニクロの環境だ。それは素材や着心地、シルエットなど商品の質に限らない。カスタマーサービスロジスティクス、店舗環境など全てだ。インド国内のアパレル業者は否が応でもユニクロの質と競争することになる訳だ。それは業界内の淘汰を促すかもしれないが、国内業者の質を高めることにも繋がるであろう。そして、それは勝田氏の言う「インドの顧客が我々の次なる革新のヒントを与えてくれるかもしれない」にも繋がる。日本の知的資本とインドの知的資本が融合し、シナジーを生む無限の可能性を秘めている。それは、インド国内だけでなく、欧米や日本を含む世界各国にも輸出される商品となるかもしれないのだ。いや多分、そうなるであろう。インドの生地素材の歴史と伝統は数千年にも及ぶ。国外にまだあまり知られていない生地素材やその色、地方や民族によっても異なる伝統的なプリントや織物の種類等、数は少なくない。自分たちの知識や経験を地方市場を超えて届ける術がなかったこともある。ユニクロは今まさに「開け、ゴマ(Open Sesame)!」と唱えたところだ。ユニクロのインド進出はモディ政権の”Make in India”に貢献するだけでなく、ユニクロ自身の未来にも計り知れない恩恵をもたらすでだろう。我らがユニクロ、やっちゃってください!インドでも旋風を巻き起こしてくださいませ♫♫

 

 

 

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