印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

インド株式市場:化学株高騰中

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国内化学銘柄が好調のようだ。一部メディアは化学株セクターの時価総額が今後5、6年で2.5倍になると予想している。2025年までには870億ドル相当になるとか。化学5銘柄で形成されるカスタム・インデックスは今年に入って30%も高騰している(5銘柄:Aarti Industries、Fine Organic Industires、Galaxy Surfactants、PL industries、SRF)。トップ10銘柄の第一四半期(3月期)収益は平均48%増だということだが、今後も二桁の成長を予想するアナリストが多いようだ。ちなみにSENSEXインデックスは最高値は更新しているものの、今年の上げ幅は10%未満です。


中国経済減速の恩恵を受け、インド化学メーカーの製造が急ピッチとなっている模様。もともと、中国政府の環境対策強化の煽りで中国本土の化学メーカーの製造が落ちていたところへ、米中貿易戦争を目の当たりにしたグローバル企業がチャイナリスクを再認識。インド化学セクターに大漁の利をもたらしているようだ。第一次モディ政権で施行されたFDI(外国直接投資)規制緩和で、化学業界には政府や中銀の事前許可なく100%のFDI(外国直接投資)が可能となっている(一部製品を除く)ことも好機の波に乗れた背景だと言われている。むろん、買われすぎ感を警告する向きもある。ま、みんなが超ブルになったら相場は天井ですから、ベアがいるのは健全だ。彼らはインド政府自身の環境対策強化で各企業ともそれに対応する設備投資を強いられる可能性を指摘している。でもね。世界の化学製品の輸出総額は4300億ドルということですが、欧州、中国がそれぞれ20%ずつを占め、インドのシェアはまだ一桁前半ですからね。これでも過去5年で3.3%から4.5%に上がったんだとか。ブルになるなってのが無理なのかも。。。眠れる獅子はまだ目覚めたばかり。

 

こっからは余談。今日、インド化学メーカーに画期的なニュースが飛び込んできた。Tata Chemicals Europeがイギリス(ノースウィッチ)で初めての二酸化炭素回収工場を設立する計画だということだ(2021年操業開始予定、設立費用16.7百万ポンド)。化石燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素を回収し、有効活用し、食品や医薬品の成分となる重炭酸ナトリウムを製造する計画だとのこと。CO2を地下に貯蓄するのではなく、有効活用するということだ。2050年までにCO2の純排出量をゼロにすることを目指しているイギリス政府が設立費用の一部(4.2百万ポンド)を負担する。彼らが成功すれば、インド国内にも導入することができよう。モディ政権もうかうかしてられないね。石油依存から抜け出すためにEV車の導入を促進するのがプライオリティーなのは分かるけど、未来のテクノロジーにも投資しないとね。大した金額じゃないんだから。官民ジョイントベンチャーとかどうかしら。気候変動に待ったなし。インドも酷暑だが、今日はフランスで45.9度。イギリスに初めて設立される二酸化炭素回収・有効活用工場、未来のテクノロジーの実証事業にインド企業が乗り出す。♪インドインド♪

 

 

 

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