印度維新

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行け日本企業!住友不動産、ムンバイのBKC区画を落札か

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日頃から、日本企業のインドでの出遅れにヤキモキしているインド人のつれあいはいつになく機嫌が良い。それは昨日の国内メディアのニュースだ。「Sumitomo Corporation(住友不動産の方)、ムンバイのBKC(Bandra-Kurla Complex: バンドラ・クアラ複業商業施設)の土地、3エーカー(サッカーグラウンド3つ分くらい?)に競争入札」というもの。マヒム川北の埋立地に位置し、陸水空の交通の便も良いBKCは、1980年半ばから段階的に開発され、今では300棟以上のビルを誇る巨大なオフィス複合型商業施設だ。今後は、超高級住宅棟も開発されよう。

 

住友不動産の入札金額は、度肝を抜かれるRs.2,238crore!(約358億円)だ。1エーカー、745クロー(高!)。国内メディアはインドの土地買収史上、最高値(単価ベース)であろうとしている。MMRDA(Mumbai Metropolitan Region Development Authority:ムンバイ都市開発公社)によると、まだ精査、査定中ということだが、もし、住商が落札すれば、獲得する延床面積は約6万5000平方メートルだ。競争入札といっても、今のところ、他に参加者がいない単独入札だ。ノンバンクの不良債権処理問題から始まった信用収縮から、流動性逼迫に喘ぐ地元の不動産ディベロパーには手が出ない状態だ。地元業者は「キチガイじみた」入札金額とする一方で、「Sumitomo住友不動産)がムンバイの一等地にそのプレゼンスを確立したいということがハッキリした」とも語っている。

 

BKCといえば、つい先日、米国のプライベート・エクイティ、Blackstoneが8階建のビル(約6万5000平方メートル)を2,500クローで買収したばかりだ。テナントにはバンカメ、フェイスブックメリルリンチ、シスコ、アマゾンなどが含まれる。Blackstone は、近年、インドの商業不動産ポートフォリオをかなりのスピードで構築している。彼らのこれまでのインド不動産市場への投資は33案件、54億ドルと報告されている(内、オフィスビルだけで40億ドル)。今年3月には、インドのシリコンバレーとも言われるベンガルール(南インド、カルナータカ州都)のディベロパー、Embassy Groupとのジョイント・ベンチャー、Embassy Office Park(ITパーク)のREIT(リート:不動産投資信託)をローンチしている。その金額4,750クロー。彼らと競合する外国資本は、カナダのBrookfieldアセット・マネジメントや、カナダ年金基金投資委員会(CPPIB:Canada Pension Plan Investment Board)、シンガポールソブリン・ウェルス・ファンドGIC、カタール投資庁(Qatar Investment Authority)などがある。そこにやっとやっと日本の大企業も加わるのね〜(感慨深)。それにしても、Blackstoneその他の詳細を国内メディアが今さら語ることはないが、紙面にSumitomo Corporation(←間違っています)として住友不動産の詳細が載っている。

 

 

 

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