印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

カッチャからパッカへ:インドの住宅革命

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2022年8月15日、インドは75年目の独立記念日を迎える。日本の終戦のちょうど2年後に、インドはイギリスの植民地支配から脱却、独立した。インドの独立記念日は毎年祝われているのだが、モディ首相はこの75年目の独立記念日を節目と見ている。そして、2022年までに"Naya Bharat"(ナヤ・バラットゥ)、英語で言えば、"New India"をつくると宣言している。

 

今回の総選挙のBJPマニフェストでは2022年6月までに75の主要プロジェクトを完成させるとしており、各省はその目的を達成させるために1000日プランなるものを策定した。その一番上に来るプライオリティーが "Housing for All"「全ての家庭にまともな家を」だ。2022年6月までに2000万戸の家を完成させる計画(全てトイレ付き、という注釈もあるw)で、その内、農村部の1000万戸は今年中に完成予定だという。しかし、英メディアによると、今年3月までに着工許可が下りているのは800万戸、完成した家が180万戸だということなので、ピッチを速める必要はありそうだ。同メディアはモディ政権が2022年までに1000万戸を完成させるとしている都市部に関しても、その試算に懐疑的だ。ムンバイのホームレス人口は6万人で、政府見解の5倍だとする地元の民間シンクタンクの見積もりも載せている。

 

インドでは「まともな家」のことをパッカ(pucca)と呼ぶ。頑丈な壁と屋根と床を持つ家のことだ。「まともじゃない家」はカッチャ(kuccha)と呼ばれ、壁か屋根か床の何かが欠けている掘っ立て小屋だ。2015年–16年の時点で、インドの家全体でパッカが占めた割合は56%(驚!少な!)。農村部の家の大半はカッチャだった。コングレス党政権時代の失政、手抜き運営がその背景にある(60年間も一体何してたの?) コングレス党政権もモディ政権も、貧困層が家を建てる際に補助金を出すというスキームは同じだが、アプローチが全く異なる。前者が州政府の見積もりに頼っていたのに対し、モディ政権は詳細な国勢調査のデータをもとに、対象者を認定している。その結果、本当に補助金を必要とする人々に辿り着いた。補助金も増額された。国内の民間シンクタンクは政府がマニフェスト通りの目標を達成するのに支出する額は1.5兆ルピー(2兆円超)と予想している。

 

日本の住宅メーカーさんたち、出番ですよ。インドでは住宅建設にも時間がかかり過ぎる。プレハブ工法、ユニット工法でチャチャっと建てちゃってください。現地企業との合弁で住宅開発をしている外資(イギリスやオーストラリア系)もあるが、インドが今必要としているのは日本のプレハブ工法だ。インドのトイレ革命では日本企業がすでに活躍している(リクシルありがとう!)。家の方もお願います!インドに進出しましょうよ。日本の少子化なんてヘッチャラになりますから。

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