印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

「中国撤退してインドにおいでよ - モディ」

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国内メディアの”情報筋”によると、インド政府は、企業に中国撤退、およびインドへのシフトを促す政策をまとめているようだ。同時に、輸出拡大を狙う一環としては、米国企業がこれまでに中国へ輸出していたセクター、つまり米中貿易戦争により、米国企業が撤退を余儀無くされたセクターでの後釜を狙う政策も。ベトナムが行なっているような優遇税制や免税期間の導入が考慮されている模様。対象となるセクターは、エレクトロニクス、家電、電気自動車とその部品、靴、おもちゃなどだ。外需を拡大させ、内需依存の度合いを軽減させたいという政府の意向が背景にある。一方、国内では、海岸沿いに産業地帯を設け、地元企業の製造拠点建設や政府入札の際に、優遇措置を与えるという計画も進行中とか。

 

全てはモディ政権の”Make in Inida”に合致する。来年までに、製造業が25%を占める経済へと変革させることに躍起になっている(来年ってのはちょっとムリっぽいが)。まずは、対中貿易赤字の削減を目指す。今のところ、中国製品は、スマホとその部品、家電、電気自動車とその部品、ベッドリネンや台所用品に至るまで、95%以上が中国からの輸入品だという。米企業の中国撤退分野では、米企業にとって代われる可能性のある輸出品目として、政府はすでに150以上を識別している。冷凍じゃがいもやポリエステル短繊維、Tシャツ、水力エンジン、車両用スーパーチャージャーなど多岐にわたるそうな。

 

さて、ここからは余談だ。インドのギアがかかる中、各国のインドへのアプローチにも拍車がかかる中、かつての支配者、イギリスでは、蚊帳の外化を懸念する議会報告書が昨日提出された。ブレグジットでそれどころじゃないっつうの、と言ってるうちに、大国として国際舞台に躍り出るインドに対応する戦略が練られていないと嘆くもの。”Building Bridges: Reawakening UK-India ties”(橋をかける:英印、絆の再興)なんとも大仰なタイトルですけど(私のインド人のつれあいの目はガーフィールドの様に薄く横に伸びている。シラーーーッと)。その提言の中には、両国の絆をリセットするため、インドからの移民受け入れや、観光ビザ、学生ビザ、専門職ビザの条件緩和などが盛り込まれている。インド人学生や観光客を惹きつけることは両国の絆を深めることにも役立つとし、インドとの関係改善を担う外務・英連邦省への提言となっている。英国入国のための査証の条件が、民主主義国のインドより、専制国の中国の方が緩いとは何事か、と指摘している。出た!手のひら返し。今までそんなこと気にもしてなかったくせに。超ゲンキン主義。はたまた風見鶏戦法か。あっ、そうでした「英国は永遠の友人も持たないし、永遠の敵も持たない。英国が持つのは永遠の国益だけである- パーマストン卿」でしたね。

 

折しも、今週は英印週間2019だ。同日、下院では初めての”India Day”なるものが催され、レセプションにはUK-India Most Influential100(英印関係において最も影響力のある100名)が各界より招待された。議会報告書の方は、「わが国がブレグジットへと向かう中、インドとの新たな絆を構築するのに、歴史的な絆に寄りかかって呑気に構えている場合じゃない」と結ばれている。ふ〜ん、「歴史的な絆」に少しは寄りかかれると思ってるんだ。それはどうかしらねー。もう時はガンディー政権じゃないからね、モディ政権だからね。報告書も認めているが、第一次政権の時、モディがイギリスを訪れたのは20カ国もの国を訪問したあとだ。分かりますよね。自分の立ち位置が。まぁ、お手柔らかにと、過去の悪行をお詫びして誠心誠意お願いしてみることだ。さて、ボリス・ジョンソン首相にそれができるかしら?

 

 

 

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