印度維新

インドの政治・経済・時事を語る井戸端ブログ

"Make in India (メイク・イン・インディア)" から、"Made in India (メイド・イン・インディア)" へ

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まだほんの1年ほど前のことだ。インドのEコマースマーケットプレイス最大手、Flipkart(フリップカート)を米大手スーパーマーケットチェーンのウォルマートとインド市場先陣のアマゾンが取り合い、前者が160億ドルでフリップカートを買収した。フリップカートとアマゾンは今もしのぎを削る。これまでのイメージとしては、アパレルならフリップカート、エレクトロニクスやスマホならアマゾン。流通総額はアマゾンが上だが、収益はフリップカートが上といった具合だ。両社とも登録顧客数は1億人を超える。ウォルマート買収前から絶対王者だったフリップカートをアマゾンが猛烈に追い上げ、今やどっこいどっこい、この勢いだとアマゾンがいずれインドEコマース市場の覇者となりそうだ。資本市場では、インドはアマゾンにとって、今後5年くらいで、米国以外の最大の市場になるだろうという観測も出ている。

 

国内メディアによると、この1年、両社がしのぎを削るのは、どちらがより"Made in India"かということらしい。フリップカートは自社ブランドの製造と調達の拠点の大部分を中国とマレーシアからインド国内にシフトしたということだ。結果、自社ブランドの商品価格の引き下げに成功した。2年前まではエレクトロニクスの100%が中国製だったのが、今では50%未満だということだ。 フリップカートが提携する150工場の内、100工場がインド拠点であり、取り扱うエレクトロニクスや家具類のうち、輸入品が占める割合は50%未満になったということだ。ウォルマートの自社ブランドの多くも、インドで調達しているそうだ。フリップカートによると、「わが社は自社ブランドビジネスを展開するに当たり、ウォルマートとのパートナーシップを通して、そのスケールメリットとグローバルなノウハウを生かし、インドの製造業、特に中小零細製造業者の成長と革新の力となるべく邁進する」ということだ。まぁ優等生!アマゾンも負けていない。自社ブランドに関しては、ほとんどインドで製造しているということだ。細かい数字を発表できていないのは、現地調達率でフリップカート負けてるからかしらね?

 

ところで、日本のEコマースはどこに?ソフトバンクウォルマートのフリップカート買収前、フリップカートの最大株主であった。ウォルマートに全保有株式を売却して莫大な利益を得た。ソフトバンク以外の日本企業のみなさまは一体いずこに?中国と違って、インドのEコマース市場は外に開かれているというのに、何を怖気づいているのでしょうか?一部の資本市場の観測によると、インドのEコマースの市場規模は2022年までに750億ドルに達するという。登録顧客数は同時期までに2億人までに膨らむと見られている。しかし、アマゾンが米英で展開しているように、インドでもグロサリー(食料雑貨)にビジネスを拡大するとなると、こんなもんじゃあない。インドの小売市場全体の6割を占めるグロサリーの市場規模は4000億ドル超(約43兆円超)、2025年には7000億ドル(約76兆円)まで拡大するという見方がある。インドのGDP伸び率の見通しからすると、後者はやや低めの予想だとも言える。同時期に人口は中国を抜きそうだしね。グロサリー市場のシェア争いはインドでも遅かれ早かれ始まるであろう。手元資金潤沢な日本企業のみなさま、円高でもあるというのに、ノウハウもあるというのに、ただ指をくわえて見ているだけなのか。おーい

 

 

 

 

 

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